お一人様の正しいマネープラン

早めの一生独身プランは逆にリスクになる可能性もある

大安のある日、電車の中で結婚式帰りの30代と思われる女性3人の会話が聞こえてきました。どうやら、本日の花嫁さんについて話しているようです。「〇〇ちゃん結婚しないかもと思って昨年マンション買って生命保険にも入ったんだって。でも、その直後に出会いがあって電撃結婚なんていいよね~」

私の耳が反応したのは「結婚しないかもしれないからマンションを買って生命保険に入った」という部分。30代シングルのマンション購入は、私は勧めないけど購入する理由は分かるような気がします。分からなかったのは「このまま一人かも」と思って保険に入ったという行動です。

日経WOMANのS子さんはアラサー・シングルです。この話をすると「ひとつの不安に対して答えを一つ当てはめたいんですよ。深田さんの連載担当じゃなければ、私もそうするかも」と解説してくれました。

なるほどね「結婚しないかもしれない、経済的に不安だから老後に家賃を払わなくていいようにマンションを買う」「一人で生きていくのが不安だからイザという時のために保険に入る」といった心理でしょうか。

分からないわけではありませんが、お一人様対策のマネープランとしては、どうもしっくりきません。なぜなら、30代は「仮性お一人様」なので一生独身を前提としたガチガチのプランで固めることが逆にリスクになるからです。具体的に見てみましょう。

住宅ローンや保険料の支払いが足を引っ張る

マンション購入のリスク、つまり住宅ローンを組むことのリスクは後ほどお話ししますが、購入のメリットだけで判断しないことが大切です。保険については、一生シングルを前提とした商品選びをしないことです。一人の老後のために「個人年金」老後に寝たきりになった場合の「介護保険」などに入るのはNGです。

定額個人年金については契約時の利率を将来に渡って固定するので、超低金利の今は入ってはいけない商品です。民間の介護保険は30代女性に最もお勧めしない商品のひとつです。

要介護状態になったら給付金が出るとはいっても、該当するかどうかは保険会社が決めます。約款で定められていますが、皆さんが心配する状態を全てカバー出来るわけではないと考えた方が無難です。その割に保険料が高いです。

公的介護保険ですら2000年に導入されたばかりなので要介護になる確率など保険料算出に必要なデータはまだ少ないのが現状です。正確なデータが少ないなら保険会社は高めに保険料を設定せざるをえないのです。

「では、結果としてずっとシングルだった時の為に今できることは?」とよく聞かれます。マイホームが欲しい人は転職の可能性が低くなり、ライフスタイルが30代よりも確立しやすい40歳頃に少ないローンで購入できるように頭金を貯めておくことです。

老後資金は個人年金のような「老後専用商品」ではなく、何にでも使える金融資産を効率よく増やしましょう。そのためには投資の経験や勉強が不可欠です。ローンや保険料の支払いが多くなると貯蓄に回すお金が減り、資産形成の足を引っ張る事になることをよく覚えておいてください。

何より頼りになるのが、働いて得る収入です。女性の賃金は男性に比べ低いのが現実ですが、少しでも収入が上がるようスキルアップも目指しましょう。

— posted by NCTV at 01:57 pm